ハッピーバレンタイン!
−−会社にて−−
お昼休みにくつろいでいると電話が鳴りました。
電話に出ると、よく知る女性の声で『ゆでごろうさん!いまお時間ありませんか?お会いできませんか?」』とのお誘いが。
わたしはあまり気乗りしない声で『あぁ。少しの時間なら空いてますけど』と素っ気なく答え、その女性が待つ会社の入り口にそそくさと移動します。
会社の入り口でわたしの姿を認めた彼女は嬉しそうな表情を浮かべます。
わたしも気付いてはいましたが、表情を顔に出さずに彼女のもとに歩いていきました。
彼女は元気な声で『お昼休み中にスミマセン!今日はお渡ししたいものがあって・・・・』と目を輝かせながらわたしに迫ってきます。
わたしは分かってないフリをしながら焦らすように『ん?何でしょうか?』と彼女に問いかけます。
すると彼女はカバンからごそごそと何かを取り出し、それを私に手渡しながらこう言いました。
『そろそろ保険の更新が近づいてますので、オススメのプランをいくつかお持ちしました。お時間大丈夫ですか?』
そう、彼女は保険のセールスレディ。
定期的にわたしのところに来ては、生保の契約を迫ってくる積極的な営業員。
これまで彼女の口車に乗って様々な保険契約をしてきたわたしですが、今日は少し眠いので
『午後からの会議準備があるのでいま説明を聞く時間はないんです。資料だけいただいておきますね』とお断りしました。
残念そうな彼女を見送りながらわたしは思う。
(資料を受け取ってしまった。また数日後に電話かかってきて『プラン見たか?』『変更しますか?』と聞かれてやりとりするのメンドイなぁ)
はぁー。 と大きなため息を一つ吐いてわたしは自席に戻ります。
ちなみに彼女は還暦をゆうに超えてもうすぐ古希では、ともっぱら噂の女性です。
お年を召されても元気に働かれております。
彼女はわたしのことをいいカモだと思ってるんでしょう。そう思いながら彼女の輝く眼を思い出すとなんだか$マークだったような気がします。。
そして・・・
自席に戻って資料袋を見てみると、保険資料の隅っこには小さなチョコがホッチキスでとめられてましたとさ。
めでたしめでたし?
以上
ハッピーバレンタインレポートでした。